子どもの昼間尿もれ実態調査を実施
ユニ・チャーム株式会社は、昭和大学医学部の池田裕一教授の監修の下、2019年6月に全国の年長から中学校3年生までのお子さんを持つ母親10,000人(うち回答:5,186人)を対象に、子どもが5歳を過ぎてもおきてしまう昼間のおもらし(昼間尿失禁)に関する「学童期尿もれ調査」を実施しました。
- 昭和大学医学部 小児科学講座・教授
池田 裕一 先生 - 子どもの昼間の尿もれ、夜尿症、頻尿症、小児の腎臓病を専門とし、2002年から昭和大学藤が丘病院小児科でおねしょ・おもらし外来を担当。また小児科HP上におねしょ・おもらし相談室を開設し、おねしょやおもらしでお困りの数多くの保護者からの質問に回答。
昼間おもらし調査結果
昼間尿もれはクラスに1〜2人はいる
年長(5-6歳)~中学3年生に調査した結果、尿もれ(昼モレと夜モレ)の合計は8.1%。そのうち「昼間尿もれ」は4.3%であり、これは40人学級の場合には1~2人程度の割合。
年齢があがると割合は下がるが
中学生でも2.6%は悩みを抱えている
年齢別では小学1・2年生(7-8歳)の35.7%がもっとも高く、年齢が上がるにつれて割合は下がるが、中学1-3年生(13-15歳)でも2.6%が尿もれありと回答している。
昼間尿もれのタイミングは
一日中ある
昼間尿もれのタイミングは家にいる時や学校、遊んでいる最中など就寝中以外の一日中どのタイミングでも起こる。
昼間尿もれについて
対処していない割合は28.4%
昼間尿もれに悩む親子の対処方法は「トイレに誘導」が62.7%で最も多く、「尿もれ専用品で対処している」が14.2%、「対処していない」が28.4%。また、40.5%の人が昼間尿もれについて相談したことがなく、「どう対処したら良いか」相談できすに悩んでいる層が多くいる。
「昼間尿もれ(尿失禁)」という症状があり、「おねしょ」とは別の症状である
「昼間尿もれ(昼間尿失禁)」は「おねしょ」とは違い、尿意を感じて自分でトイレで排尿できる年齢になっても、日中おしっこを漏らしてしまうことをいいます。これは成長の過程で自然に改善する場合もあれば、腎臓や膀胱など、泌尿器に何らかの疾患を抱えているために起こることもあります。
成長とともに解消するケースが多いが、解消せずに悩んでいる親子が一定数存在する
昼間尿もれの多くは成長で改善する場合もありますが、成長のスピードは子どもごとに異なるため、学校や外出先で不意に尿もれをしてしまうことに悩む親子がかなりいます。また成長に関係なく、腎臓や膀胱など泌尿器に何らかの疾患を抱えているために起こるケースもあります。
悩んでいる子どものQOLが低い事が問題だが、改善とともにQOLも向上する
昼間尿もれが子どもに及ぼす精神的ダメージは強く、ストレスにより日常的に元気がなくなるパターンが多くあります。しかし昼間尿もれを改善することで自尊心が回復し、元気にすごせるようになったり、友達とよく遊ぶようになるなど子どものQOLが向上することがわかっております。
※QOLとは、クオリティオブライフの略称で、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のこと。
池田先生監修の改善・対処方法をご紹介します!
日常でできる改善方法からすぐにできる対処方法まで対処法別にお教えします。
日常生活でできる改善方法
日常生活の中で取り組める症状の改善方法を専門医の先生から伺いました。
「トイレに間に合わない方向け(切迫性尿失禁)」と「動く&笑うともれる方向け(腹圧性尿失禁)」といった軽度の昼間尿もれの方に向けた対処方法です。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
おしっこをするタイミングを同じにする(定時排尿)
1日6回以上を目安に定時排尿をする。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
おしっこの出し方を意識する
ゆっくり、時間をかけておしっこする。全部出たか感じるようにする。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
水分の正しい取り方を知る
水分摂取を我慢させない、適正な量を摂取する。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
ウンチの固さや回数を知る
ウンチが原因の場合もあるため、まずは自分のうんちの固さや回数を知ることが重要。
- トイレに間に合わない方
- 動く&笑うともれる方
おしっこの記録をつける
1日のおしっこの時間、回数、量を記録することで、自分の状況を客観的に理解する
- 動く&笑うともれる方
バランスボールや一輪車で体幹を鍛える
体幹を鍛えることで、おしっこを我慢できるようになる
すぐに対処したい場合は軽度失禁パッドが有効的
重度の方は疾患が原因の場合もあるため専門家に相談することが大切
昼間尿もれの心配はありません
あなたは昼間尿もれの心配はありません。
トイレに間に合わなかったり、動く&笑うと漏れる場合は対処法A参照ください。
昼間おもらしの池田先生の見解や対処方法をご覧になったり、実際に専門医の診察を受けた、昼間おもらしに悩む小中学生のお母様の声を紹介します。
昼間のおもらしをしている子どもがたくさんいることに驚いた
インターネットで調べても情報があまりなかったため、自分たちだけが昼間のおもらしに悩んでいるのでは?と感じていましたが、このサイトを見て昼間おもらしに悩む子どもがたくさんいることに驚きました(中学1年生男子の母親)
おしっこの記録をつけることで生活のリズムを整理することができた
おしっこの記録をつけることで生活のリズムを整理することができ、疑問を晴らすきっかけになりました(小学4年生女子の母親)
軽度失禁パッドを使用することで安心して学校や外遊びにいかせられるようなった
軽度失禁パッドを使用しはじめてからは、おもらししても周りに気が付かれないため、安心して学校や外遊びに行けるようになりました(小学1年生男子の母親)
子どもの様子を見ながら話しを聞いてトイレトレーニングを行いました
ただトイレを促すだけではなく、子どもの様子を見ながら話を聞いてトレーニングしました。うまく対処できると、子どもも安心できると思いますし、ともだちと楽しく過ごせるのではないか思います(小学4年生男子の母親)