男性に起きやすい追っかけモレ(ちょいモレ)とは?
その原因と予防方法について紹介!
「トイレに行っておしっこをした後にも尿がまだ出てしまう」という症状にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。この症状は男性特有の尿モレであり、「おっかけモレ」「ちょいモレ」などといわれます。
「おっかけモレ」は正式名称を「排尿後尿滴下」といい、排尿の後で自分の意思とは無関係に尿が数滴垂れてしまう症状のことです。
この記事では、この「おっかけモレ」について、その原因や予防方法を解説します。
1.おっかけモレ(ちょいモレ)とは
おっかけモレは、正式な名称を「排尿後尿滴下」といいます。トイレに行った際におしっこを出し切ったと思っても、尿道からじわじわと尿がでてきて、ズボンにシミが付いてしまう症状です。
このおっかけモレ(ちょいモレ)は、尿道に尿が残っているために起こる症状です。下着の汚れが気になって外出先でトイレに行けなかったり、外出できなかったりするなど、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。
2.男性のおっかけモレ(ちょいモレ)が引き起こる原因とは?
おっかけモレの正体は、排尿後に尿道に残っている尿と考えられます。では、そもそもなぜ排尿後にも関わらず尿道に尿が残るのか考えてみましょう。
男性には、尿道をぐるりと囲むように存在する前立腺という臓器がありますが、その直下の尿道括約筋がゆるみ、尿が膀胱内から尿道内に流出します。そして、排尿を終えると尿道括約筋が再び固く閉じられて膀胱から尿道への尿の流出を食い止めます。
しかし、男性の尿道は約15㎝の長さがあり、曲がりくねっているため、尿が溜まりやすい形状をしています。このため、排尿後に少量の尿が尿道に溜まり、それがモレ出ることでおっかけモレ(ちょいモレ)が生じるのです。
このようなおっかけモレは年齢を重ねるごとに起こりやすくなりますが、そこにはいくつかの原因が存在します。ここからは、男性のおっかけモレ(ちょいモレ)が起こる原因について説明します。
1. 加齢などによる筋力の衰えによるもの
まずは、加齢などによる筋力の衰えです。排尿終了時には、尿道内の尿を残さないように、尿道を取り囲む球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)という筋肉が収縮します。この筋肉の収縮力が加齢などで低下することで、おっかけモレ(ちょいモレ)が生じると考えられています。
また、加齢によって尿道括約筋の筋力、またその働きを司る神経の働きが弱くなることで、思うように排尿をストップできなくなることもあります。その結果、尿道内により多くの尿が溜まりやすくなり、おっかけモレ(ちょいモレ)が生じやすくなります。
2. 肥満によるもの
肥満もおっかけモレ(ちょいモレ)の原因となります。特に中高年以降の男性に多くみられる内臓脂肪型肥満では、全身の血管や神経がダメージを受けていることや膀胱や尿道が圧迫されるため、尿道へ尿がモレ出てしまうことがあります。
3. 病気によるもの
おっかけモレ(ちょいモレ)は、病気によって起こることもあります。その中でも、男性特有の前立腺肥大症の影響は大きいとされます。
前立腺とは、尿道を取り巻く内腺と、その周りにある外腺からなる臓器のことです。通常クルミほどの大きさをしていますが、前立腺肥大症はこの前立腺の内腺が大きくなる病気です。内腺が大きくなることで尿道が圧迫されたり、膀胱が刺激されたりして、さまざまな排尿障害が起こります。
前立腺肥大症によって引き起こされる排尿障害の症状の一つが、おっかけモレ(ちょいモレ)です。
その他にも、末梢神経にダメージを加える糖尿病、末梢神経と脳の連絡通路となる脊髄にダメージが加わる腰椎脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの病気によって排尿コントロールができなくなり、少量の尿モレが生じることがあります。
3.おっかけモレ(ちょいモレ)の対策方法
ここからは、おっかけモレ(ちょいモレ)の対策方法について説明します。おっかけモレ(ちょいモレ)にお悩みの方は、この中から自分に合った方法を試してみましょう。
1. 排尿時に座って用を足す
立った状態で用を足すと、尿道の中に尿が溜まりやすくなってしまいます。そのため、排尿時に洋式便座で座った状態で用を足すと、おっかけモレ(ちょいモレ)を防ぐために役立つと考えられます。具体的には、座った状態で陰茎をしっかりと下向きに伸ばし、尿を出し切るようにすると良いでしょう。
2. 排尿後に陰嚢の裏側の付け根部分を押す
排尿後に会陰部(陰嚢裏側)や陰茎根部(尿道球部)から外尿道口にかけて指先で尿道をしごき、尿道球部に残った尿を押し絞り出すようにすることも効果的でしょう。このようにすると、排尿後の尿の滴(したた)りが改善され、おっかけモレ(ちょいモレ)が減る効果が期待できます。
この方法は乳搾りの要領で尿を絞り出すので、「ミルキング」と呼ばれます。
3. 食生活や運動習慣の改善
肥満がおっかけモレ(ちょいモレ)の原因になることを前述しました。肥満予防のために食生活や運動習慣などの生活習慣の改善をすれば、尿モレを防ぐことにつながる可能性があります。
4. 骨盤底筋を鍛える(骨盤底筋体操)
骨盤底筋を鍛える「骨盤底筋体操」をすることも、おっかけモレ(ちょいモレ)の対策として有効です。骨盤底筋体操は、骨盤の底にあり尿道を締めるはたらきをしている骨盤底筋を鍛えるための簡単なトレーニングです。
トレーニング方法については、「おっかけモレ筋トレ」をご確認ください。
4.男性向けの尿ケア専用品を使用する
こうした対策をとってセルフケアをしていても、まだおっかけモレ(ちょいモレ)が気になる方もいるでしょう。そのような場合は、男性用の尿モレパッドや尿モレシートなどの尿モレケア専用品を活用するのも効果的です。
ご自分の尿モレの量などに合わせて、最適な尿ケア製品を選んでみましょう。
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まとめ
おっかけモレの原因には、加齢に伴う筋力の低下や、肥満もありますが、前立腺肥大症などの病気が隠れていることもあります。おっかけモレにお困りの際は、ここでご紹介した対策をぜひ実践し、改善に取り組んでみましょう。
それでもなおおっかけモレ(ちょいモレ)の症状が悪化してきたり、日常生活にも支障が出てしまうような場合は、ためらわずに泌尿器科の外来を受診することをおすすめします。