最近トイレが近くて悩んでいる男性に頻尿の原因や対策方法を解説
1日に何回もトイレに行きたくなってしまう」
「夜にたびたびおしっこがしたくなり目が覚めてしまう」
このような悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、最近トイレが近かったり、尿の回数が多かったりして悩んでいる男性の方に向けて、頻尿の原因や改善方法を解説していきます。
1. 頻尿とは?
頻尿とは、「トイレが近い」「尿の回数が多い」などといった症状のことです。一般的には、朝起きてから就寝までの間の排尿回数が8回を超えて困る場合を頻尿とされるようです。
しかし、1日の排尿回数は人によってさまざまですので、一概に1日何回以上が異常だとはいえません。8回以下の排尿回数でも、自分自身で排尿回数が多いと感じる場合は頻尿といえるかもしれません。
2. 頻尿になる主な原因
では、頻尿となる主な原因を具体的に説明していきます。
1. 膀胱の容量減少
膀胱容量の減少とは、少量の尿しか膀胱に溜められなくなるという意味です。
膀胱の容量減少は、膀胱が過敏になるために起こります。一般的には、膀胱の容量が減少すると、昼も夜も頻尿になることが多いとされます。夜間の排尿の際に毎回十分なおしっこ(おおよその目安として200〜300ml)を排尿しても夜中に目が覚めてしまう場合は、多尿もしくは夜間多尿*による夜間頻尿が考えられます。
*夜間多尿とは夜間就寝中の尿量が多い状態で 24時間(1日)尿量のうち夜間就寝中の尿量が高齢者では33%以上、若年者では20%以上の時、夜間多尿と定義されます。
一方、十分な量のおしっこがでない場合(おおよその目安として100ml以下)は膀胱容量の減少による夜間頻尿**も考えられます。膀胱の容量減少には、以下の原因があります。
**:睡眠障がいによる夜間頻尿でも十分な量のおしっこが出ません。
1.1. 過活動膀胱
膀胱に尿が少量しか溜まっていないのにも関わらず尿意を感じてしまったり、膀胱が勝手に収縮してしまったりする状態です。過活動膀胱の場合は、トイレに急いで駆け込む症状(尿意切迫感)が現れます。加齢が主因ですが脳卒中、パーキンソン病など、脳や脊髄(せきずい)の病気で引き起こされる場合もあります。
1.2. 前立腺肥大症
男性特有の疾患である前立腺肥大症も、膀胱容量の減少の原因となります。前立腺が大きくなることで排尿がしにくくなり、結果として膀胱が過敏になることがあります。そのため十分におしっこが溜められなくなると考えられます。
1.3. その他
その他にも、間質性膀胱炎という特殊な膀胱炎や骨盤臓器脱などで頻尿になることもあります。
2. 残尿量の増加
トイレでおしっこを済ませたあとにも膀胱内に尿が残っている尿を「残尿」と呼びます。
前立腺肥大症などによる排尿障がい(尿排出障がい)が進行すると、残尿が発生します。また、加齢、糖尿病、腰部椎間板ヘルニア、子宮がん・直腸がんの手術などで膀胱を収縮させる神経が障がいされると、膀胱がうまく収縮できなくなってしまい、排尿障がい(尿排出障がい)が引き起こされて残尿が発生します。
膀胱内に残尿があると、結果的に尿を溜められる膀胱のスペースが減少するために、1回の排尿量が少なく、何回もトイレに行くようになります。
3. 尿路感染・炎症
膀胱炎や前立腺炎などの尿路感染が起こると、膀胱の知覚神経が刺激されて頻尿になります。
尿路感染は主に細菌が原因となりますが、間質性膀胱炎という原因不明の病気もあります。間質性膀胱炎は膀胱に慢性の炎症を起こす難治性の病気で、長期間続く頻尿、膀胱充満時の下腹痛が症状の主な特徴です。
4. 水分の多量摂取などによる尿量増加
水分をたくさんとったり利尿作用のある薬剤を飲んだりすることで尿量が増えます。これらも、頻尿の原因となります。また、利尿作用のあるアルコール、コーヒー、紅茶を大量に飲むと尿量が増加し、トイレに行く回数が増える原因になることもあります。
頻尿に悩んでいる方は、こうした飲み物の摂取量に注意しましょう。
5. ストレスや緊張などの心理的要因
ストレスや緊張などの心理的な要因も頻尿の原因となります。膀胱・尿道の病気もなく、また尿量も問題ないにも関わらず、トイレのことが気になって何回もトイレに行ってしまう状態です。これは心理的な要因なので、体に特に異常はありません。夜に寝てしまえば排尿のことを気にすることはないので、夜間の頻尿はないことがほとんどです。また、朝起床時の排尿量も正常です。
3.頻尿を改善する方法
続いて、頻尿を改善するための方法をご紹介していきます。
1. 水分の摂取量を注意する
水分を摂りすぎて頻尿になっている場合は、水分摂取量を適量にすることで頻尿の改善ができます。もちろん脱水になってしまうことは避けたいですが、体にとって必要ではない水分は、尿となって体外に排出されるだけです。
1日の飲水量は、体重の2〜2.5%が目安とされることが多いです。水分を多く摂取すると「血液がサラサラになる」とよく言われますが、これは全くのデタラメです。余分な水分は尿に必ず排泄され頻尿を引き起こします。
「塩分も糖分も水分もヒトが生きるためには不可欠」ですが、それを適切に摂取することが健康の秘訣です。摂りすぎも摂らなさすぎも体を害します。
通常の環境では成人の1日の必要水分量は2.5リットルといわれていますが、食事で必要水分量のほとんどを摂取できます。一方で、1日の必要水分量は、環境で大きく変化します。大量の汗を体から出すと体内の水分が不足します。また、外気が乾燥していても、呼吸や発汗で体内の水分が不足します。食事を抜いても水分が不足します。このような時には大量に水分を摂る必要があります。大事なのは「体内に適切な水分量があること」です。体内の水分が不足すると腎臓が尿量を減らして不足をカバーしようとします。この状態は、腎臓に負担をかけるだけでなく膀胱炎の原因にもつながります。逆に体内の水分量が多いと腎臓は尿を増やして体内の水分量を適切に保つようにしています。これを専門用語で「恒常性」と言います。生命維持に欠くことができない働きのことです。
ではどうしたら必要な水分量が正しくわかるのでしょうか?それは尿量です。好ましい尿量は1ml/kg/時間です。例えば、体重60kgの人は1日24時間で、1x60x24=1440mlとなります。本当なら1日の尿量を実際計ってみて飲水量を決める必要があります。ただ、健康なら体内で水分が不足すれば口喝が起こり、これに従って飲水すれば大丈夫です。1日の尿量を実際に図るのは大変ですが、色素成分を飲食していなければわずかに色がつく尿は適正量であることが多いようです。
2. 膀胱訓練を行う
少しずつ排尿の間隔を広げることで膀胱容量を増加させる方法を、膀胱訓練と呼びます。具体的な方法としては、排尿計画を立て、短時間から始めて徐々に15分~60分単位で排尿間隔を延長していきます。最終的には2時間~3時間の排尿間隔が得られるように訓練をすすめます。
3. 骨盤底筋を鍛える(骨盤底筋体操)
骨盤底筋体操は、腹筋に力が入らないように腟や肛門を締めるようにする方法です。トレーニング方法については、「おっかけモレ筋トレ」をご確認ください。無理のない範囲で行ってみてください。
4. 尿もれパッドなどの尿ケア専用品を活用する
上記で紹介したようなセルフケアをしていても、頻尿が気になる方はいらっしゃるかと思います。尿意が突然起こった時にはトイレに間に合わず、少し尿がもれてしまうこともあるかもしれません。
このような場合には、男性向けの尿モレパッドや尿モレシートなど、尿ケア専用品の活用も効果的です。
男性向け尿モレパッドや尿モレシートは、ズボンをはいてしまえば目立つこともなく、少量の尿モレをカバーしてくれます。ご自分の尿モレの量などに合わせ、適切な尿ケア専用品を選んでみましょう。
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4.まとめ
頻尿の原因は人によってさまざまですが、中には糖尿病、高血圧、心疾患、腎機能障がい、睡眠時無呼吸症候群などの病気が背景にあることもあります。頻尿の症状が悪化している場合や、こうした病気の治療を受けている方は、一度医療機関や主治医に相談してみると良いでしょう。
また、セルフケアによる頻尿対策や、万が一の時の尿ケア製品を活用することもおすすめです。仕事中や大切な相手を前にした時などに困ることがないよう、日頃から対策をしておきましょう。