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頻尿の症状を改善できるツボはある?
効果が期待できる位置と正しい押し方を解説

頻尿をはじめとした悩みを解消したい人に向けて、原因やセルフケアとしてのツボ押しを解説します。ツボごとに期待できる効果、症状が改善されない場合の受診目安、診療科の選び方や主な治療法を紹介します。

頻尿はなぜ起こる?目安の排尿回数や生活への影響

頻尿とは、日中8回以上、夜間3回以上の排尿がある状態を指します。ただし、個人差も大きいため、回数だけで判断できるものではありません。たとえ基準に当てはまらなくても、普段から「トイレが近い」と感じる場合、頻尿の可能性があります。

頻尿の原因は、加齢による膀胱機能の低下、妊娠・出産での骨盤底筋の緩み、冷えや自律神経の乱れ、膀胱炎などの感染症、過活動膀胱、前立腺肥大など、多岐にわたります。

頻尿が続くと、睡眠が妨げられて日中の集中力が低下したり、外出が不安で行動が制限されたりするなど、生活の質に影響が出る場合もあります。心身への負担やストレスが大きくなる前に、早めの対策や医師への相談が大切です。

頻尿に効果が期待できるツボの位置と正しい押し方

頻尿の緩和に使われるツボは体の各所に点在しており、その位置によって作用や目的が異なります。頻尿に効果が期待できるツボには、膀胱の機能調整を目的としたツボや、自律神経の乱れを整えるツボ、冷えを改善するツボなどがあり、症状や体質に応じた使い分けが大切です。

また、押す場所によって効果的なタイミングや力加減が異なる点にも注意が必要です。妊娠中や皮膚症状がある場合など、施術に注意が必要な場合もあります。落ち着いた状態で強く押しすぎず、間隔を置いて行うのが基本です。正しいツボの位置と押し方を理解した上で、無理なく安全に続けられるセルフケアとして活用しましょう。

中極(ちゅうきょく)

中極 位置 ·おへそから指幅5本分下 または ·恥骨の上から指2本分上 期待できる効果 頻尿 残尿感 下腹部の冷え

中極は下腹部にある泌尿器系の要穴で、膀胱の働きを整える効果が期待できます。位置の目安は「おへそから指幅5本分下」または「恥骨の上から指2本分上」です。

仰向けに寝た状態で両手の指を重ね、お腹が少しへこむ程度の力で優しく押します。5秒間×5回ほど繰り返しましょう。

過活動膀胱には中極が効果的とされ、排尿反射のコントロールに関与します。頻尿・残尿感・尿が出にくい症状のほか、下腹部の冷えにも作用するため、女性の尿トラブル全般に役立ちます。

三陰交(さんいんこう)

三陰交 位置 ·すねの骨の内側の際 ·内くるぶしの最も高い位置から指4本分上 期待できる効果 夜間頻尿 婦人科系の不調 むくみ 生理痛

三陰交は内くるぶしの最も高い位置から指4本分上の場所にある、すねの骨の内側の際に位置するツボです。「女性のツボ」とも呼ばれ、夜間頻尿に効果的とされています。親指の腹で骨の際に向かって押し、響くような感覚があるまで左右30秒ずつ程度、じっくりと刺激します。

腎の陽気と陰の調整、冷え対策にも効果があり、泌尿器や婦人科系の不調、むくみ、生理痛など幅広い症状に対応できます。ただし妊娠中の方は、子宮を刺激する恐れがありますので絶対に押さないようにしてください。

陰陵泉(いんりょうせん)

陰陵泉 位置 ·足の内側、内くるぶしから続くすねの骨をたどった膝付近 または ·膝関節のくぼみから指4本分ほど下 期待できる効果 頻尿 尿もれ むくみ 冷え

陰陵泉は足の内側、膝から指4本分下にあるツボで、すねの骨をたどった先の内側の出っ張りの下にあるくぼみを目印にして、親指でじんわりと押します。10秒間×3回から5回、やや鈍い痛みを感じる程度の強さで押しましょう。

体内の水分代謝を整え、膀胱機能の調整に働きかけるため、頻尿・尿もれ・むくみ・冷えの改善効果が期待されます。また、下痢や消化不良などの水分バランスの乱れに伴う不調の際にも用いられます。

腎兪(じんゆ)

腎兪 位置 ·おへその高さで背骨から左右それぞれ指2本分外側 ·ウエストのくびれ部分 期待できる効果 頻尿 尿もれ 腰痛 耳鳴り 疲労感

腎兪は腰部に位置し、おへその高さで背骨から左右それぞれ指2本分外側、ウエストのくびれ部分が目安となります。夜間頻尿に効果的なツボの1つです。両手の親指で背骨に向かって押す、または円を描くように揉みほぐします。どちらも30秒程度、気持ちよく感じるくらいの強さで行いましょう。

腎機能を高める代表的なツボであり、頻尿・尿もれ・腰痛・耳鳴り・疲労感の緩和に役立ちます。泌尿器と生殖器系の働きを全体的に整えるサポートとしても用いられます。

湧泉(ゆうせん)

湧泉 位置 ·足裏の中央よりやや上 ·足の指を曲げたときにできるくぼみの位置 期待できる効果 自律神経の乱れ 頻尿 疲れ

湧泉は足裏にあるツボで、足の指を曲げたときにできる中央よりやや上のくぼみに位置します。両手の親指で足裏をしっかり押したりゴルフボールなどで足裏を転がしたりして各足30秒から1分程度刺激します。

腎の経絡の起点として生命力や体力の回復を助けます。自律神経のバランスを整える作用があり、冷えやストレスが原因の頻尿の補助的対策として有用です。

膀胱兪(ぼうこうゆ)

膀胱兪 仙骨 位置 ·ウエストのくびれの高さから指3本分ほど下に少し平らになっている骨(仙骨)がある ·その仙骨から、左右それぞれ指2本分ほど外側 期待できる効果 過活動膀胱 慢性化した泌尿器系の不調

膀胱兪は、お尻の割れ目のすぐ上にある、平らな骨(仙骨)の上にあります。仙骨から左右に指2本分ほど外側で、押すと少しへこむように感じる場所が目安です。腎兪(じんゆ)より、少し下にあり、過活動膀胱の症状に効果が期待できます。

親指でゆっくりと5秒押し、ゆっくり離します。この動作を5回から10回繰り返しましょう。

膀胱機能に直接作用し、頻尿・尿もれ・腰痛・仙骨周囲の痛みや冷えに対して効果が期待されます。慢性化した泌尿器系の不調にも働きかけるツボとして、セルフケアに取り入れやすいツボです。

然谷(ねんこく)

然谷 位置 ·足の内側、土踏まずのあたり ·足の親指の付け根の膨らみの骨をかかとに向かって指でたどり、その骨の終わりにあるくぼんだ部分 期待できる効果 頻尿 尿もれ 自律神経の乱れ

然谷は足の内側、親指の付け根の膨らみの骨をかかとに向かって指でたどり、その骨の終わりにある、くぼんだ部分です。

左右を見比べて、盛り上がっている側や押して痛みを感じる方を10秒間×3回から5回、親指で優しく押します。

膀胱の機能調整やリラックス効果が期待され、特に緊張型の頻尿や尿もれの対策として用いられるツボです。身体にこもった余分な熱を冷ます作用もあり、自律神経の乱れによる頻尿にも補助的な効果が見込まれます。

ツボ押しを避けた方が良いケース

ツボ押しは一般的に安全な自然療法ですが、妊娠中や食後などをはじめ、避けなくてはならないケースもあります。決して無理はせず、専門家の判断を受けてから実施しましょう。

まず妊娠中のツボ刺激は、流産や早産のリスクがあります。特に「三陰交」は絶対に避けてください。心臓病・がんなどの重篤な持病がある場合は、必ず主治医に相談のうえ判断しましょう。また、食後30分から1時間は、体を消化に集中させるためにツボ押しは避けましょう。さらに飲酒後は血行が促進され、アルコールの回りが早くなって消化器や循環器に負担がかかる可能性があるため、ツボ押しはしないようにしてください。

そして傷や発疹、打撲、炎症のある部位への刺激は、症状の悪化や感染リスクを伴うため避けてください。押すと強い痛みが出る部位や、腫れ・赤みがある箇所は圧刺激を加えないようにしましょう。

ツボ押し以外の自宅でできるセルフケア

頻尿対策には、ツボ押しと併用できる他のセルフケア方法もあります。毎日の生活習慣に取り入れやすく、年齢や体力によって調整しながらできる方法をご紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。

骨盤底筋体操(ケーゲル体操)

尿道や膀胱、肛門を支える骨盤底筋群を鍛えるための体操です。頻尿や尿もれの予防・改善に効果があります。特に腹圧性尿失禁に対して有効性が高く、継続的に行えば一定の症状改善が期待できると報告されています。実施の際は、正しい筋肉の収縮を意識しながら行うことが大切です。

肛門と膣を意識して締め、5秒間キープします。その後はゆっくり力を緩めていく動きを、できれば1セット10回から15回、1日に数回繰り返しましょう。効果として実感するまでに、数週間から数ヶ月の継続が必要です。

骨盤底筋体操の方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:骨盤底筋トレーニング

こまめな水分補給

頻尿が気になるからとはいえ、水分摂取を控えすぎると尿が濃くなり膀胱が刺激されやすくなるため、適度な水分補給が重要です。一度に大量に飲むのではなく、喉が渇いたタイミングでこまめに摂取しましょう。カフェインやアルコールは利尿作用や膀胱刺激があって尿意を促してしまうため、麦茶やハーブティ、白湯などに替えるのが理想的です。

症状が緩和されない場合は医療機関への速やかな受診も大切

頻尿に加えて 発熱 赤~茶褐色の血尿が出た 排尿時の尿道の痛み·灼熱感·背中の痛み→どの場合もすぐに「泌尿器科」を受診しましょう! セルフケアを4~6週間続けても 頻尿が改善しない 残尿感·強い尿意切迫感が続く→こちらも「泌尿器科」を受診しましょう!

頻尿の原因によっては、医療機関の受診が必要な場合があります。セルフケアでの改善が見られない場合だけでなく、発熱、排尿時痛、血尿などの症状があれば早めに泌尿器科を受診しましょう。治療として、過活動膀胱や感染症への薬物療法、生活指導が行われます。

緊急性の高い症状や受診を検討するべき状況は?

赤〜茶褐色の血尿が出た場合、痛みなどの症状がなくても膀胱癌などの可能性があります。できるだけ早く、必ず受診しましょう。また、排尿時の痛み・灼熱感・発熱・背中の痛みなどがあれば、膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症の可能性も考えられるため、迅速な治療が必要です。

加えて、セルフケアを4週間から6週間以上続けても改善が見られない場合や、日中の排尿回数が多いままであるほか、残尿感・強い尿意切迫感が続くなどの症状がある場合も、受診をおすすめします。

診療科の判断と主な治療方法

尿トラブルが起こった場合には、泌尿器科を受診するのが基本です。骨盤臓器脱が疑われる場合は婦人科の受診も選択肢となりますが、必要に応じて泌尿器から紹介してもらえるでしょう。

診察では問診・排尿日誌の記録確認・尿検査・超音波検査・内診などを行って原因を特定します。必要に応じて膀胱機能検査や膀胱鏡検査も実施されることがあります。治療は、生活指導や骨盤底筋体操に加え、薬物療法・手術・ボツリヌス療法など、症状に合わせて行われます。

頻尿とツボの関連性についてよくあるQ&A

頻尿のツボに関して、専門家の見解に基づいて解説します。

ツボを押すセルフケアだけで頻尿が治ることはありますか?

軽度の頻尿であれば、ツボ押しによる症状の緩和が期待できる場合もあります。

根本的な原因がある場合にはツボ押しだけで改善するのは難しいため、他のセルフケアや医療機関での治療との併用を検討しましょう。

ツボ押しによって自律神経の乱れを解消することで頻尿は改善されますか?

特に湧泉や三陰交などのツボが自律神経を整える効果を持つとされ、頻尿の改善にもつながる場合があります。また、特にストレス性の頻尿に対しては、ツボ押しが有効な場合もあるでしょう。

ツボ押しと骨盤底筋体操のうち頻尿に効果的なのはどちらですか?

原因や体質によって効果は異なるため、両者を併用するのが理想的です。骨盤底筋体操は構造的改善、ツボ押しは機能的調整という側面から補完し合います。継続しやすい方法から始めて、徐々に組み合わせていくことをおすすめします。

まとめ

頻尿は、排尿回数の多さから生活に支障を及ぼすこともありますが、適切なツボ押しや体操などで症状の緩和が期待できます。セルフケアによるツボ押しには、強く押しすぎない、妊娠中や発熱時は避ける、ツボ刺激と併用して生活習慣の改善も行うなどの注意点があります。

ツボ押しを複数続けても改善が見られない場合や、血尿・排尿時痛・発熱などの症状がある場合は、自己判断せずに必ず泌尿器科を受診しましょう。体質や原因に合った対策で、年齢に関係なく快適な生活を目指しましょう。

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中澤 紘一(なかざわ こういち) G.O.A.Tパーソナルトレーニングスタジオ 代表

鍼灸師

東京都小平市出身1987年生まれ

2008年 柔道整復師取得(国家資格)

2010年 鍼灸整骨院の院長に任命

2016年 プロサッカーチーム 大分トリニータ専属トレーナーとして契約

2020年 鍼灸師(国家資格)取得 

G.O.A.Tパーソナルトレーニングスタジオを開業し現在5年

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