毎日の歯みがきで認知症対策。オーラルフレイルにも要注意。
滑舌が悪くなった、むせることが増えたなどの変化も、認知症に関係するでしょうか?
オーラルフレイルと呼ばれるささいな変化が積み重なると、全身の衰えや認知機能の低下につながります
「オーラルフレイル」を見逃さない
今、「フレイル」という概念が注目されています。これは身体の機能が衰えていても、適切な対応を行うことで回復できる段階のことです。フレイルをそのまま放っておくと、回復が難しい要介護状態となります。口の機能のフレイルは「オーラルフレイル」と呼ばれます。
介護認定のない高齢者の口の状態を調査したところ、次の6項目が要介護状態に陥るリスクを高める危険な衰えだとわかりました。
これら6つの項目のうち、3つ以上当てはまった人はオーラルフレイルに該当し、要介護状態に陥るリスクが高いことがわかっています。
「パ」「タ」「カ」でチェックしてみよう
オーラルフレイルの検査方法のひとつに、「滑舌」をみる方法があります。
「パパパパ…」「タタタタ…」とそれぞれ繰り返し、5秒間で30回以上(1秒間に6回以上)発音できない場合、オーラルフレイルの可能性があります。
滑舌の衰えを感じたら、しっかりと大きく口を動かして発音するように心掛けましょう。絵本の読み聞かせなど、日常会話よりも大きな声ではっきりと発音する機会を増やすことも大切です。
年齢を重ねると身体が衰えていくように、口の機能も低下していきます。そのことを早くから意識して対策しておくことは、全身の健康だけでなく、人と会うことに対する自信、意欲、脳への刺激にもつながります。豊かな人生のための口腔ケアを、ぜひ今すぐ始めましょう。
渡邊 裕
東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム研究副部長。1968年生まれ。北海道大学歯学部卒業、東京都老人医療センター歯科口腔外科医員、東京歯科大学オーラルメディシン講座助手、ドイツフィリップス・マールブルグ大学歯学部研究員、東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座講師、国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部口腔感染制御研究室長等を経て2016年より現職。日本老年歯科医学会常任理事など。
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