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  3. 認知症の支援:認知症になっても快適に暮らせる住まい、生活支援について(1)

認知症の人の日常生活を支える、さまざまな取り組みがはじまっている。

日本は世界の中でも高い高齢化率となっており、その流れに比例して認知症発生も高まっています。自分なりに対策をしていても、認知症は誰もがかかる可能性のある病気といえるでしょう。その進行をくい止めるため、そして発症してもその人らしい日常生活を営むことを可能にするために、さまざまな取り組みがはじまっています。認知症の自立促進等の研究をされている粟田主一先生にお話を聞きました。

認知症になっても快適に暮らすために必要なこととはどんなことですか?

認知症とともに暮らせる住まい、生活支援、社会環境のイノベーションが必要です

認知症になった時に前提となることとは

認知症は特別な病気ではありません。年をとれば、誰でも経験する可能性のある脳の病的変化によって認知機能が障害され、それによって生活に支障が現れた状態を認知症と呼びます。暮らしを工夫したり、支援を受けることで、認知症になっても日常生活を営むことは可能です。ここで重要なことは、生活支援であり、次のようなことがポイントになります。

このような生活支援をしてくれる家族(同居でなくても)がいるかどうかや、家族の代行となってくれる人がいるかということが重要です。また、生活支援のある高齢者向け住宅や有料老人ホーム等に入居したとしても、それぞれの施設で生活支援のレベルに違いがあり、自分にあった生活支援が受けられるかどうかの確認が必要となります。

安全性を重視して住環境を整備

今後、認知症の方の一人暮らしは、普通のことになると予測されています。高齢化が進んでいるある大規模団地での調査では、約5割の人が一人暮らしという結果となっています。一般的に、注意力が落ちる認知症の人には複雑な構造の家は不向きです。誰でもがわかりやすく、単純な構造で安全性の高い家が求められます。スコットランドのスターリング大学の研究によると、トイレの場合は扉に色をつけて他の部屋と区別できるようにすることや、便器の色は白ではなく色をつけること、認識しやすい目印となる色やマークをつけることで、暮らしやすくなるという研究結果が発表されています。

室内の温熱環境やキッチン環境にも配慮が必要です。使いやすいエアコンで、熱中症を防げるようにすることや、IH化をすることで火事を未然に防ぐなど、住まいとして安全性を確保できる工夫が大きなポイントとなります。認知症になっても、住める家になっていることが求められます。

社会参加を可能にするイノベーションに期待

住まいだけではなく、地域での認知症に対する取り組みがはじまろうとしています。認知症とともに暮らせる社会=「ディメンシア・フレンドリー・コミュニティ」という考え方です。ショップでの買物支援や支払い支援を可能にする「ディメンシア・フレンドリー・ショップ」や勉強をしたいという意欲に応える「ディメンシア・フレンドリー・ライブラリー」、駅での切符の購入やわかりやすい路線図案内で認知症の支援となる「ディメンシア・フレンドリー・ステーション」などです。

認知症でも安心して暮らせる環境整備に向けて、個人でできること、地域で取り組むことが、少しずつですが推進されています。

認知症になった時に備えて、知っておきたいサービスはありますか?

自立生活をサポートする生活支援に着目してください

生活支援の4つの柱とは

認知症の人の自立生活をサポートするための支援は、生活支援といわれます。有償と無償などいろいろな支援があり、大きな柱は以下の4つです。

認知症でも、意欲的で活動的な方への支援

認知症といっても、家でじっとしているわけではありません。通院などさまざまな要望がありますが、趣味の映画を観に行きたい、テニススクールに通いたいなど、制度的にカバーできないものもあります。また、自動車の運転免許返納によって、行動範囲が狭まることも考えられます。その場合は、通常は家族や友人に頼るしかありません。しかし、このようなケースも想定して、生活支援を準備しておくことも必要となるでしょう。

見守り支援の重要性を再確認

一人住まいの高齢者の増加により、安否確認の関心および必要性が高まっています。最近では、「見守り支援」といわれることがありますが、定期的に訪問することで信頼関係を築き、情報やサービスにアクセスしやすい環境をつくりだすことが重要です。とくに、認知症の場合は、本人との会話を通して、その人の人生の歴史や価値観を理解し、何らかの場合の意思決定の代弁者となることが可能となります。1〜2年以上継続して見守り支援をすることで、その人の意思を尊重し、利益を代弁してくれる重要な人となるのです。

このような日常的サポートは「情緒的ソーシャルサポート」ともいい、人と人とのつながりから生まれる重要なサポートとして位置づけられています。

認知症の方の中には、自分自身の支援ツールとして、スマホなどを活用している人もいます。メモ代わりに音声録音機能を活用したり、GPS機能やマップ機能によって道に迷わないようにするなど、最先端ツールの利用価値は高そうです。(GPS機能の活用は、本人の意思または確認が必要です)

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