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症状は「もの忘れ」だけではない

認知症の症状といえば「もの忘れ」というイメージが一般的ですが、実はそれ以外にも怒りっぽくなったり、落ち着きがなくなったりと、さまざまな変化が起こります。

その状態は、すべての人に共通して現れる「中核症状」と、個人差がある「周辺症状」の2つに大きく分けられます。

注)周辺症状のことを、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia=)と呼び、「認知症の行動と心理症状」と和訳される。

共通の変化

すべての認知症の人に共通して現れる障害です。認知症の診断の基準にもなります。

記憶力

認知症で早くからみられる障害で、新しいことを覚えられなくなります。自分が子どもの頃の記憶など、昔の出来事は比較的覚えています。

理解・判断力

一度に2つ以上のことを言われたり、早口で言われると、理解が難しくなります。自動販売機や銀行のATM、家電など、仕組みが目に見えないものを前にすると、どうしたらいいかわからなくなります。

状況の把握

今現在の日にちや時間、季節、どこにいるのか、何をしているかなどがわからなくなります。家族との関係や、親が亡くなっているなどの事実もわからなくなります。

個人差がある変化

人によって現れたり、現れなかったりする症状です。育ってきた環境や、その人がもともと持っている性格などによって異なります。

徘徊

家の中や外を歩き回ります。本人としては目的がある場合が多く、会社に行こうとしていたり、子どもを迎えに行こうとしていたりします。

妄想

物を盗まれたなど、事実でないことを思い込みます。物をなくすと、通常はどこかに置き忘れたと思って探すものですが、認知症になると自分にとって不利なことを認めたがらない傾向があります。

幻覚

来客がいると思ってお茶の準備をするなど、見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたりします。

暴力行為

自分の気持ちをうまく伝えられず、感情をコントロールできないために暴力をふるうようになります。

せん妄

夜間など、目が覚めたときに急に不安になり、興奮して大声で騒いだり、暴れたりします。入院、高熱、睡眠障害などによっても引き起こされます。

抑うつ

気分が落ち込み、無気力になります。それまで楽しんで続けていた趣味などにも興味がなくなります。

人格変化

穏やかだった人が短気になるなど、性格に変化が現れます。

不潔行為

風呂に入るのを嫌がる、排泄物をもてあそぶなどの行為がみられます。

*参照:厚生労働省 政策レポート「認知症を理解する」