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  3. 認知症の支援:認知症になっても快適に暮らせる住まい、生活支援について(2)

知っておくべき制度や手続きなどはありますか?

自治体などでやってくれることと、できないことを事前に知っておくことで、対応を考えましょう

自治体が行なっている支援制度を理解する

都道府県が社会福祉協議会に委託している事業として日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)というものがあります。これは、福祉サービスを利用することを前提にして、それに関わる契約の手続きや金銭管理、書類の保管などを行います。しかし、生活支援の内容には限界があります。例えば、生活費等のお金については、定期的に金融機関から必要金額を引き出して持ってきてくれますが、日々のお金の管理(生活費のやりくり)まではしてもらえません。認知症の方が苦手とする部分でのカバーがない場合があります。

しかし、最近では有償・無償の違いはあっても、いろいろなサービスが実施されています。自分の暮らし方にあったサービスがあるかどうかについてもチェックしておくことをおすすめします。

成年後見制度も内容を理解しておく

認知症などの理由で判断能力が不十分になった人の財産を管理したり、介護サービスや施設の入所に関する意志決定を支援したり、本人の身上を保護したりする制度が成年後見制度です。

この制度における後見人は家庭裁判所が選任するため、本人の親族以外の場合は法律の専門家が選ばれることが多くなっています。この場合、「財産管理」はできたとしても、「身上保護」においては、難しい面があります。後見人が親族でない場合には、本人の受診に同行したり、医師の説明を聞いたり、必要な支援サービスを一緒に考えるなどの「身上保護」が欠落しがちになります。

社会での認知症に対する取り組みがはじまっている

行政や福祉関係だけでなく、認知症を地域全体のことと捉えた取り組みも広がっています。まず、マンションでの高齢化が課題となっていることから、マンション管理業協会が勉強会を実施し、管理人が日常生活支援の一翼を担うことなど検討されはじめています。

郵便局員による見守り支援や生活協同組合の共同購入グループでの生活支援などが行われている地域もあります。また、銀行でのATM操作、公共交通機関の利用、店舗での無人レジの操作など、認知症の方には街で困ることや対応できないことがたくさんあります。そこで、わかりやすく安心して利用できる利用環境や時間がかかっても理解してくれて、支援してくれる店員、職員の配置など、地域や企業の取り組みが推進されています。

日本は、すでに超高齢者社会に突入しています。高齢者や認知症の方が身近にいることが普通といえる社会へ。ハードとしての住まい、そしてソフトである生活支援サービス、制度としての権利擁護。このすべてが揃うことが基盤です。その上で、高齢社会を安心して暮らせるようにするための創意工夫やイノベーションが必要です。

いま、このような方向性への期待が大きくなっています。

粟田主一

2001年~2005年に東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野助教授、2005年~2008年に仙台市立病院精神科部長兼認知症疾患医療センター科長を経て、2009年より東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と介護予防研究チーム研究部長、2018年より自立促進と精神保健研究チーム研究部長を務める。「認知症とともに暮らせる社会」の実現に向けた社会科学的研究を行うとともに、認知症疾患医療センター長として認知症の専門医療に取り組んでいる。

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